営業職の履歴書でブランクがある場合は、空白のままにせず、期間と理由を簡潔に書くのが基本です。採用担当者が知りたいのは、ブランクの事実だけでなく、「現在は働ける状態か」「営業職に必要な意欲や準備があるか」です。
ただし、履歴書の限られた欄に詳しい事情を書く必要はありません。事実を簡潔に説明し、詳しい内容や営業職への意欲は職務経歴書や面接で補足しましょう。
営業職の履歴書でブランクを書く基本
ブランクは、前職の退職日から次の入社日までの期間として、学歴・職歴欄や本人希望欄などに分かりやすく記載します。理由を隠して職歴だけをつなげたり、空白期間をなかったことにしたりするのは避けてください。
書き方は、次の3点を意識するとまとまります。
- ブランクの期間
- ブランクになった理由
- 現在は就業できる状態であること、または応募に向けて行った準備
たとえば、退職後に転職活動をしていた場合は、次のように書けます。
「2024年4月 株式会社〇〇 退職」
「2024年5月〜2024年10月 転職活動に専念」
履歴書の形式上、期間だけを記載しにくい場合は、職歴欄の最後や本人希望欄に次のように補足します。
「前職退職後は、営業職への転職活動を行っておりました。現在は就業に支障のない状態です。」
ブランクの理由別の書き方と例文
ブランクの理由によって、説明の仕方は変わります。すべての事情を詳しく書くのではなく、採用担当者が勤務への影響を判断できる範囲で説明します。
転職活動をしていた場合
転職活動をしていた場合は、活動期間と現在の応募理由を簡潔に示します。
例文:
「2023年9月に前職を退職後、営業職への転職活動を続けておりました。これまでの法人営業経験を生かし、顧客との関係構築を重視する営業に取り組みたいと考え、応募いたしました。」
転職活動が長引いた事情を細かく説明するよりも、応募先で生かせる経験や、営業職を選んだ理由を明確にするほうが伝わりやすくなります。
資格取得やスキル習得をしていた場合
資格の勉強、研修、パソコンスキルの習得などをしていた場合は、何を学び、営業の仕事にどう生かせるかを書きます。
例文:
「前職退職後は、営業職への転職準備として、営業資料の作成に必要な表計算ソフトやプレゼンテーションソフトの学習を行っておりました。現在は就業に向けた準備を終えています。」
実際に取得した資格がある場合は資格欄にも記載します。勉強しただけで資格を取得していない場合は、取得済みであるかのように書かないようにしましょう。
家族の介護や看護をしていた場合
家族の介護や看護が理由の場合、家族の病状などを詳しく書く必要はありません。事情を簡潔に示し、現在の勤務可否や必要な配慮があれば説明します。
例文:
「2022年6月〜2023年3月 家族の介護に専念」
現在は就業できる場合は、次のように続けます。
「現在は家族の支援体制が整い、通常勤務が可能な状態です。」
勤務時間や休日について相談が必要な場合は、隠さずに伝えましょう。入社後の勤務に関わる条件は、履歴書の本人希望欄や面接で確認します。
病気やけがの療養をしていた場合
病気やけがで療養していた場合は、病名を必ず詳しく書かなければならないわけではありません。ただし、現在の就業可否や業務上の制限がある場合は、事実に沿って説明します。
例文:
「2023年1月〜2023年8月 療養のため休職・退職」
就業に支障がない場合:
「現在は回復し、医師の確認を得たうえで通常勤務が可能です。」
通院や業務上の制限が続いている場合は、営業活動や勤務時間にどのような影響があるかを整理しておきましょう。履歴書で無理に「問題ありません」と断定するのではなく、必要な範囲を面接で正確に説明することが大切です。
育児や出産をしていた場合
出産や育児によるブランクは、次のように簡潔に記載できます。
例文:
「2021年4月〜2024年3月 出産・育児に専念」
再就職後の勤務に関係する保育体制や勤務時間の希望がある場合は、本人希望欄や面接で伝えます。ブランクの理由だけでなく、現在はどのような働き方ができるのかを明確にすることが重要です。
留学や家族の事情で海外に滞在していた場合
海外滞在が理由の場合は、滞在期間と目的を書きます。
例文:
「2022年4月〜2023年3月 海外留学のため離職」
営業職で外国語、異文化理解、海外顧客とのやり取りなどを生かせる場合は、自己PRや職務経歴書で具体的に説明するとよいでしょう。
理由をあまり詳しく説明したくない場合
個人的な事情をすべて履歴書に書く必要はありません。次のように、事実をぼかしすぎない範囲で簡潔にまとめる方法があります。
例文:
「2023年4月〜2024年2月 家庭の事情により離職」
ただし、採用担当者から理由を聞かれた場合にまったく説明できないと、勤務への影響を判断してもらいにくくなります。説明できる範囲で、現在の勤務可否や必要な条件を準備しておきましょう。
営業職の応募でブランクを補う書き方
営業職では、ブランクの理由だけでなく、ブランク後に営業として働ける根拠を示すことが大切です。職務経歴書や自己PRでは、次の内容を具体化します。
- 過去に担当した顧客や営業エリア
- 法人営業、個人営業、ルート営業、新規開拓などの経験
- 商談、見積もり、契約、アフターフォローなどの担当業務
- 売上目標や達成率など、確認できる実績
- ブランク中に行った資格取得や営業準備
- 入社後に取り組みたい営業業務
たとえば、次のように書けます。
「前職では法人向けの新規開拓営業を3年間担当し、電話でのアポイント取得から商談、契約後のフォローまで行っていました。退職後は家族の事情で離職しておりましたが、現在は就業できる環境が整っています。これまで培った提案力と顧客対応力を生かし、貴社の新規顧客開拓に貢献したいと考えています。」
実績を書く場合は、実際に確認できる数字だけを使います。曖昧な記憶で売上額や達成率を作ったり、個人の成果ではない数字を自分の実績として書いたりしないようにしてください。
履歴書の職歴欄での記載例
職歴欄では、退職の事実とブランクの理由が分かるようにします。
| ブランクの理由 | 記載例 |
|---|---|
| 転職活動 | 前職退職後、営業職への転職活動に専念 |
| 資格・学習 | 営業職への転職準備として資格取得の学習に専念 |
| 介護・看護 | 家族の介護に専念 |
| 療養 | 療養のため離職 |
| 育児 | 出産・育児に専念 |
| 留学 | 海外留学のため離職 |
| 個人的な事情 | 家庭の事情により離職 |
たとえば、職歴欄は次のように整理できます。
「2020年4月 株式会社〇〇 入社」
「2023年3月 一身上の都合により退職」
「2023年4月〜2024年1月 家族の事情により離職」
「2024年2月 現在に至る」
履歴書の様式によっては、ブランク期間を職歴欄に独立して書かず、退職後の説明を本人希望欄や職務経歴書に記載しても構いません。ただし、どこにも説明がない状態は避けたほうがよいでしょう。
営業職の履歴書で避けたいブランクの書き方
次のような書き方は、ブランクの説明として不十分になりやすいものです。
- 職歴を省略して空白期間を作る
- 「特になし」だけで済ませる
- 「無職」とだけ書いて、現在の勤務可否を説明しない
- 実際には取得していない資格を取得したように書く
- 病気や家庭事情を必要以上に詳しく書く
- 長い言い訳や前職への不満を書く
- 営業実績を誇張する
ブランクが長い場合でも、期間そのものを短く見せる必要はありません。事実を簡潔に示したうえで、現在は働けること、営業職で生かせる経験があることを伝えましょう。
面接でブランクを聞かれたときの答え方
面接では、「なぜブランクができたのか」「現在は働けるのか」「なぜ営業職を選んだのか」の順に答えると、話がまとまりやすくなります。
- ブランクの理由を簡潔に説明する
- 現在の状況や勤務への影響を伝える
- 営業職への応募理由と、活かせる経験を話す
回答例:
「前職を退職した後、家族の介護に専念していたため、約1年間のブランクがあります。現在は家族を支援する体制が整い、通常勤務が可能です。前職では既存顧客への提案営業を担当していたため、顧客との信頼関係を築く力を生かして、再び営業職で働きたいと考えています。」
理由を説明した後に、営業職で生かせる経験や現在の勤務状況を続けて話すと、ブランクだけで話が終わりません。回答は履歴書の記載内容と矛盾しないようにしてください。
ブランクが長い場合に確認しておくこと
ブランクが長い場合は、履歴書を提出する前に次の点を整理しておくと、質問に答えやすくなります。
- ブランクの開始日と終了日
- その期間にしていたこと
- 現在の勤務可否
- 勤務時間や通院などの制限の有無
- 営業職に生かせる過去の経験
- 入社後に学び直しが必要な業務
営業職では、取り扱う商品や営業管理システム、オンライン商談などが会社ごとに異なります。ブランク中にすべての変化へ対応していたと無理に主張するのではなく、入社後に学ぶ姿勢と、すでに生かせる経験を分けて説明すると自然です。
営業職の履歴書では、ブランクを隠さず、期間と理由を簡潔に記載してください。そのうえで、現在は働ける状態か、営業職に生かせる経験や準備が何かを職務経歴書や面接で補足すると、採用担当者が判断しやすくなります。







