営業職の職務経歴書で営業スタイルを書くときは、「新規営業」「既存営業」といった分類だけで終わらせず、誰に、何を、どのような方法で提案してきたかまで具体化します。営業スタイルは、担当顧客や商材、営業方法、成果を組み合わせると伝わりやすくなります。
たとえば「法人向けの新規開拓営業」だけでなく、「製造業の中小企業を対象に、電話や紹介で商談を獲得し、課題を聞き取ったうえで業務効率化ツールを提案」と書くと、実際の仕事の進め方がイメージされます。
営業職の職務経歴書で書く営業スタイルの項目
営業スタイルは、次の項目に分けて整理すると書きやすくなります。
- 営業対象:法人、個人、官公庁など
- 担当顧客:業界、企業規模、担当社数など
- 商材:有形商材、無形商材、単価、契約期間など
- 営業形態:新規営業、既存営業、ルート営業、反響営業など
- 営業手法:訪問、電話、メール、オンライン商談、紹介など
- 提案方法:商品提案、課題解決型提案、複数商品の組み合わせなど
- 担当範囲:アポイント獲得、商談、見積もり、契約、導入後のフォローなど
- 営業実績:売上、達成率、受注件数、顧客数など
すべての項目を同じ分量で書く必要はありません。応募先が重視しそうな経験、特に成果につながった営業方法を中心に説明します。
営業スタイルの書き方は「分類・対象・行動・成果」の順が基本
営業スタイルは、次の順番で書くと、単なる業務一覧ではなく、仕事の進め方として伝わります。
- どのような営業だったかを分類する
- 誰に何を販売・提案したかを書く
- どのような方法で顧客にアプローチしたかを説明する
- 自分の工夫や成果を加える
たとえば、次のようにまとめられます。
営業スタイル:法人向けの新規開拓営業。中小企業を対象に、電話や紹介で商談を獲得し、顧客の業務上の課題をヒアリングしたうえで業務システムを提案。初回商談から契約、導入後のフォローまで一貫して担当。
実績を記載できる場合は、続けて「月平均の商談数」「受注件数」「売上目標に対する達成率」などを加えます。数値は実際の実績だけを使い、推測で補わないことが大切です。
営業スタイル別の書き方と例文
新規開拓営業の場合
新規開拓営業では、顧客をどのように見つけ、商談につなげたかを書きます。新規営業を担当した事実だけでなく、対象顧客の選び方やアプローチ方法も示しましょう。
例文:法人向けの新規開拓営業として、IT関連企業を対象に電話、メール、問い合わせへの対応を行いました。顧客の事業内容や導入状況を事前に確認し、課題に合わせて提案内容を調整。アポイント獲得から商談、見積もり作成、契約までを担当しました。
自分で営業先を選定していた場合は、「業界や企業規模をもとに営業リストを作成」「過去の問い合わせ内容を分析して優先順位を設定」など、開拓の進め方も書けます。
既存顧客・ルート営業の場合
既存顧客への営業では、訪問や注文対応だけでなく、関係維持や追加提案の方法を具体的にします。
例文:既存顧客を中心としたルート営業として、医療機関約○社を担当しました。定期訪問や電話で利用状況を確認し、消耗品の補充提案に加えて、業務上の課題に応じた関連商品の提案も実施。受注後の納品調整や問い合わせ対応まで担当しました。
担当社数や訪問頻度を記載できる場合は、実際の数字を入れると担当規模が分かりやすくなります。
反響営業の場合
反響営業は、問い合わせや資料請求など、顧客からの接点を商談や契約につなげる営業です。問い合わせ後の対応方法や、成約までの工夫を書きます。
例文:自社ウェブサイトからの問い合わせを中心とした反響営業を担当しました。問い合わせ内容を確認して顧客の検討状況を整理し、電話やオンライン商談でサービスの利用方法を説明。顧客の課題や予算に合わせてプランを提案し、契約手続きまで対応しました。
問い合わせへの対応件数や成約率を記載する場合は、集計期間や対象を明らかにします。集計条件が不明確な数字は、無理に使わないほうが安全です。
提案型・課題解決型営業の場合
提案型営業では、商品を紹介しただけでなく、顧客の課題をどのように把握し、提案内容へ反映したかを示します。
例文:法人顧客への課題解決型営業として、業務効率化に関するサービスを提案しました。現状の業務フローや運用上の問題をヒアリングし、導入後の効果や運用方法を説明。社内の技術担当者とも連携し、顧客ごとに提案内容を調整しました。
顧客の要望を聞くだけでなく、社内の担当者と協力して提案を作った経験がある場合は、その連携方法もアピールできます。
無形商材の営業の場合
無形商材は、商品を直接見せられないため、説明力や課題の整理力が営業スタイルの特徴になります。サービスの内容だけでなく、どのように価値を伝えたかを書きます。
例文:法人向けの人材サービス営業として、採用課題を抱える企業への新規・既存営業を担当しました。採用人数や求める人物像、採用時期を確認し、条件に合う人材の提案から面接調整、入社後のフォローまで対応しました。
個人向け営業の場合
個人向け営業では、顧客との接点や提案内容に加えて、検討期間や家族・関係者への説明など、個人向けならではの対応を書きます。
例文:個人顧客を対象に、来店や問い合わせをきっかけとした提案営業を担当しました。希望条件や予算、利用目的を確認し、複数の商品を比較して提案。契約手続きや利用開始までの案内も行いました。
営業スタイルは職務経歴書のどこに書くか
営業スタイルは、職務要約、職務経歴、自己PRの3か所で役割を分けて書くと、内容が重複しにくくなります。
| 記載場所 | 書く内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 営業経験の全体像を1〜3文程度で簡潔に説明 |
| 職務経歴 | 担当顧客、商材、営業方法、業務範囲、実績を具体的に記載 |
| 自己PR | 営業スタイルの中で発揮した強みや工夫を説明 |
職務要約での書き方
職務要約では、営業スタイルの全体像を短く示します。細かい業務内容や実績は、後の職務経歴欄で補足します。
例文:法人向けITサービスの営業として、新規開拓と既存顧客への追加提案を経験しました。顧客の業務課題をヒアリングし、社内の技術担当者と連携して提案から導入後のフォローまで担当してきました。
職務経歴での書き方
職務経歴では、見出しや箇条書きを使って情報を整理すると読みやすくなります。
- 営業対象:法人、主に中小企業
- 担当エリア:東京都および近郊
- 商材:業務効率化システム
- 営業スタイル:新規開拓営業70%、既存顧客営業30%
- 営業方法:電話、メール、オンライン商談、訪問
- 担当業務:営業先の選定、アポイント獲得、商談、見積もり、契約、導入後のフォロー
割合や件数を記載する場合は、実際に担当していた期間や集計方法に基づいて書きます。
自己PRでの書き方
自己PRでは、「丁寧に対応できます」のような抽象的な表現ではなく、営業行動と結び付けて強みを説明します。
例文:私の強みは、顧客の要望をそのまま受け取るのではなく、背景にある課題を整理して提案できる点です。前職では、初回商談で業務の流れや導入後の運用体制まで確認し、必要に応じて社内担当者と相談しながら提案内容を調整していました。
営業スタイルを書くときに避けたい表現
営業スタイルが伝わりにくい表現には、いくつか共通点があります。
- 「幅広い営業を経験」だけで、対象や方法が分からない
- 「顧客第一の営業」など、行動の説明がない
- 「新規営業を担当」とだけ書き、開拓方法が不明
- 会社やチームの実績を、自分の成果のように記載する
- 応募先に合わせようとして、経験していない営業スタイルを書く
- 実績の数字だけを並べ、どのような行動で達成したか説明しない
たとえば「顧客との信頼関係を大切にした」だけでは、具体的な営業行動が分かりません。「定期訪問で利用状況を確認し、課題に応じて追加提案を行った」のように、実際の行動へ置き換えます。
応募先に合わせて営業スタイルを強調する方法
同じ営業経験でも、応募先が求める営業方法に合わせて説明の重点を変えられます。ただし、経験していない業務を加えるのではなく、実際の経験の中から関連する部分を選びます。
| 応募先が重視しそうな点 | 強調する経験 |
|---|---|
| 新規開拓力 | 営業先の選定、アポイント獲得、初回接点からの商談化 |
| 既存顧客との関係構築 | 定期訪問、利用状況の確認、継続提案、追加受注 |
| 提案力 | ヒアリング、課題整理、提案内容の調整、社内連携 |
| 営業事務も含む対応力 | 見積もり、受注処理、納期調整、契約後のフォロー |
| オンライン営業への対応力 | メール、電話、オンライン商談、資料を使った説明 |
たとえば新規営業の求人に応募する場合でも、既存顧客営業しか経験していないなら、「定期訪問を通じて新たな課題を見つけ、追加提案につなげた経験」のように、提案や関係構築の力を具体的に示せます。
営業スタイルを書く前に整理するチェック項目
職務経歴書を作成する前に、次の項目を実際の経験に沿って整理すると、営業スタイルが明確になります。
- 主な顧客は法人か個人か
- 新規と既存のどちらを多く担当したか
- 営業先はどのように見つけたか
- 商談では何を聞き、どのような提案をしたか
- 契約後のフォローまで担当したか
- 一人で担当した業務と、社内と連携した業務は何か
- 営業活動によって得られた実績は何か
- 応募先の営業スタイルと共通する経験は何か
営業スタイルを一言で表せない場合は、無理に短い分類へ当てはめる必要はありません。「新規開拓と既存顧客の深耕を担当」「問い合わせ対応から契約後のフォローまで一貫して担当」のように、複数の要素を組み合わせて書けます。
営業スタイルの書き方のまとめ
営業職の職務経歴書では、営業スタイルを「新規」「既存」と分類するだけでなく、営業対象、商材、アプローチ方法、担当範囲、成果まで具体的に書くことが重要です。
まずは自分の経験を「誰に、何を、どのように提案し、どこまで担当したか」に分けて整理してください。そのうえで、応募先が求める営業方法と共通する経験を、実際の行動や数字を使って職務経歴書に反映します。







