営業職の転職で育休経験を書く場合は、育休を取得した事実と期間を簡潔に記載し、育休前後の営業実績・担当業務・復職後にできることを中心に伝えるのが基本です。育休の取得理由や子どもの詳しい事情まで書く必要はありません。
採用担当者が知りたいのは、営業職として何を担当し、どのような成果を出してきたか、そして入社後にどのように働けるかです。育休を隠すのではなく、職歴の空白が分かる形で事実を整理しましょう。
職務経歴書には育休期間をどう書く?
育休期間は、在籍していた会社の職歴の中に「育児休業取得」として記載します。退職していたように見えないよう、入社日から退職日までの在籍期間を一続きで示すことが大切です。
たとえば、次のように書けます。
20XX年4月~20XX年3月 株式会社〇〇
事業内容:法人向けITサービスの販売
従業員数:〇〇名
【在籍期間】
20XX年4月~20XX年8月 営業部に配属
20XX年9月~20XX年8月 育児休業を取得
20XX年9月~現在 営業部に復職
育休中に在籍していた場合は、職歴を「退職」と区切らず、在籍期間の中に休業期間を示します。職務経歴書の形式によっては、次のような書き方でも問題ありません。
20XX年4月~現在 株式会社〇〇
・20XX年4月~20XX年8月:法人営業を担当
・20XX年9月~20XX年8月:育児休業
・20XX年9月~現在:営業部に復職し、既存顧客を担当
営業職の職務経歴書で育休前の経験を書くポイント
育休前の経歴では、営業の種類、顧客、商材、担当範囲、実績を具体的に書きます。単に「営業を担当」とするよりも、採用担当者が業務の規模や再現性を判断しやすくなります。
- 法人営業か個人営業か
- 新規開拓か既存顧客対応か
- 担当した業界や顧客層
- 商材・サービスの種類
- 担当社数や営業エリア
- 売上、達成率、契約件数などの実績
- 営業手法や使用したツール
営業実績は、可能な範囲で数字を使います。売上金額を開示できない場合は、目標達成率、前年との比較、社内順位、契約件数などに置き換えられます。
【担当業務】
・法人顧客へのITサービスの提案営業
・既存顧客約50社の契約更新および追加提案
・新規顧客への電話、メール、オンライン商談
・見積書、提案書、契約書の作成
【実績】
・20XX年度の売上目標達成率115%
・既存顧客への追加提案により年間契約を10件獲得
・営業部20名中、半期の売上実績5位
育休取得前の実績が古い場合でも、応募先で役立つ経験なら記載できます。特に、応募先の営業スタイルや顧客層と共通する経験は、育休期間よりも目立つ位置に整理しましょう。
復職後の営業経験が短い場合はどう書く?
復職後の期間が短くても、担当業務と現在できることを事実に基づいて書きます。復職後の実績がまだ少ない場合、無理に成果を作らず、現在の担当範囲や取り組みを示せば問題ありません。
【復職後の担当業務】
・既存顧客30社への定期訪問および契約更新
・顧客課題のヒアリングと社内への改善提案
・オンライン商談を活用した新規顧客への提案
・営業進捗の管理とチーム内共有
復職後に時短勤務や担当変更があった場合も、必要に応じて事実を記載できます。ただし、勤務時間の詳細を職務経歴書の中心にする必要はありません。まずは営業職としての経験や成果を示し、勤務条件に関する希望は、応募書類の指定欄や面接で伝える方法もあります。
育休中に転職活動をする場合の書き方
現在も育休中なら、「育児休業中」と明記し、復職予定が決まっている場合はその時期も書きます。復職予定が未定の場合は、未確定の予定を断定しないようにします。
20XX年4月~現在 株式会社〇〇
・20XX年4月~20XX年12月:法人営業を担当
・20XY年1月~現在:育児休業中
※20XY年10月の復職を予定
復職予定日は、会社との合意や社内の手続きなどで決まっている内容だけを記載します。保育園の利用状況などによって変わる可能性がある場合は、職務経歴書で詳しい事情を説明しすぎず、面接で勤務開始時期を相談できるよう準備しておきましょう。
育休経験を強みに変えるときの注意点
育休を取得したこと自体を、営業スキルの実績として誇張する必要はありません。育休中に身につけた能力を強調する場合も、「必ず業務に活かせる」と断定せず、営業経験と結び付く具体的な行動で説明します。
たとえば、育休中に資格を取得した、業界情報を継続的に確認した、復職に向けて社内研修を受けたといった事実がある場合は、次のように記載できます。
【自己PR】
法人営業として、顧客の課題を聞き取り、社内の関係部署と連携しながら提案を進めてきました。
育児休業からの復職後も、既存顧客への提案と契約更新を担当しています。
顧客との約束や社内調整の期限を管理し、状況を共有しながら案件を進めることを得意としています。
子育てで培った経験をアピールする場合は、「子どもを育てたので対応力がある」といった抽象的な表現より、営業で再現できるスキルに置き換えると伝わりやすくなります。
- 複数の予定を整理する力
- 関係者に状況を共有する力
- 限られた時間で優先順位を付ける力
- 相手の状況を聞き取り、調整する力
ただし、これらは営業職での実務経験や具体的な行動と結び付けて書くことが重要です。
職務経歴書に書かなくてよい育休関連の情報
職務経歴書では、採用判断に必要な職務情報を中心にします。次のような個人的な情報は、通常は詳しく書く必要がありません。
- 子どもの氏名や年齢、性別
- 出産や育休取得に至った詳しい事情
- 家族の勤務状況
- 保育園名や自宅の詳しい場所
- 育休中の家庭内の出来事
勤務可能時期や働き方に条件がある場合は、応募先が確認できる形で簡潔に伝えます。「子どもがいるため対応できない」と先に決めつけるのではなく、出張、残業、勤務時間などについて、実際に対応できる範囲を整理しておきましょう。
営業職向けの職務経歴書の記載例
育休前後の営業経験をまとめると、次のような構成になります。
【職務要約】
法人向けITサービスの営業として約6年間、既存顧客への契約更新・追加提案と新規顧客開拓に従事しました。
顧客課題のヒアリングから提案、契約後のフォローまで一貫して担当し、20XX年度には売上目標達成率115%を達成しました。
20XX年9月から20XY年8月まで育児休業を取得し、20XY年9月に復職。現在は既存顧客を中心に営業活動を行っています。
【職務経歴】
20XX年4月~現在 株式会社〇〇
事業内容:法人向けITサービスの提供
・20XX年4月~20XX年8月:法人営業を担当
・20XX年9月~20XY年8月:育児休業を取得
・20XY年9月~現在:営業部に復職
【担当業務】
・法人顧客への提案営業
・既存顧客約50社の契約更新、追加提案
・新規顧客へのアポイント獲得、商談、契約手続き
・社内の技術部門、カスタマーサポート部門との調整
【実績】
・20XX年度の売上目標達成率115%
・追加提案による契約10件を獲得
・復職後は既存顧客の契約更新を担当
【活かせる経験】
・法人顧客との関係構築
・課題のヒアリングと提案書作成
・社内関係部署との調整
・契約更新および追加提案
上記の数値や期間は記載例です。実際の職務経歴書では、自分の在籍期間、担当社数、実績、復職時期に置き換えてください。
提出前に確認すること
提出前は、育休期間を含めた在籍期間と、履歴書の職歴欄に食い違いがないか確認します。特に、育休を取得した月と復職した月、現在の在籍状況は一致させましょう。
- 入社日、育休開始日、復職日、退職日を確認する。
- 育休期間を職歴の空白ではなく、在籍中の休業として記載する。
- 育休前後の担当業務と営業実績を分けて整理する。
- 実績の数字が社内資料や自分の記録と一致しているか確認する。
- 応募先の営業職で活かせる経験を、職務要約と自己PRに反映する。
- 勤務開始時期や勤務条件に希望がある場合は、事実と希望を分けて記載する。
営業職の転職で育休経験を書くときは、育休を隠したり、過度に説明したりする必要はありません。「在籍中に育児休業を取得した」と事実を簡潔に示し、営業職としての実績と復職後の業務を中心にまとめると、職務経歴書全体が伝わりやすくなります。







