営業職の転職回数が多い場合も、履歴書の職歴は原則として省略せず、入社・退社を時系列で正確に書きます。転職回数を少なく見せるために職歴を省くと、経歴詐称と受け取られるおそれがあるためです。
大切なのは、転職回数そのものを隠すことではなく、退職理由を簡潔に整理し、営業職として積み重ねた経験や実績が伝わるようにすることです。
転職回数が多い営業職の履歴書は「正確にすべて書く」
履歴書の職歴欄には、在籍した会社を入社・退社の両方を含めて記載します。会社名だけでなく、営業職として何を担当したのかが分かるよう、必要に応じて職種も添えましょう。
記載例は次のとおりです。
- 2020年4月 株式会社〇〇 入社(法人営業に従事)
- 2022年3月 一身上の都合により退職
- 2022年4月 株式会社△△ 入社(個人向け提案営業に従事)
- 2024年1月 事業縮小により退職
- 2024年2月 株式会社□□ 入社(新規開拓営業に従事)
在職中の場合は、最後に「現在に至る」と書きます。職歴欄の最後には「以上」を右寄せで記載するのが一般的です。
転職理由は履歴書に詳しく書きすぎない
履歴書では、転職理由を長く説明する必要はありません。「一身上の都合により退職」「会社都合により退職」など、事実に合う表現を使い、詳しい背景は職務経歴書や面接で説明します。
ただし、短期間の在籍や転職回数の多さが目立つ場合は、職務経歴書や本人希望欄で、転職の軸を補足すると採用担当者が理解しやすくなります。
自己都合で退職した場合
個人的な事情をすべて書くのではなく、応募先で生かせる方向性にまとめます。
例:
- 法人営業の経験をさらに深めるため退職
- 無形商材の提案営業に挑戦するため退職
- より長期的に顧客を支援できる営業を目指すため退職
「人間関係が悪かった」「ノルマがきつかった」など、前職への不満だけを理由にする書き方は避けましょう。事実であっても、応募先で同じように早期退職するのではないかと懸念される可能性があります。
会社都合で退職した場合
倒産、事業所閉鎖、リストラなど、本人の意思によらない退職であれば、事実に沿って「会社都合により退職」と記載できます。面接で確認されたときに説明できるよう、退職に至った経緯を整理しておきましょう。
営業職の転職回数が多い人は、職歴ごとの一貫性を示す
転職回数が多くても、営業職として共通する経験があれば、単なる転職の繰り返しではなく、キャリアの積み重ねとして伝えられます。
たとえば、次のような項目を職務経歴書で整理します。
- 法人営業・個人営業の別
- 新規開拓・既存顧客対応の別
- 扱った商材やサービス
- 担当した顧客の業界や規模
- 営業エリアや担当社数
- 目標達成率、売上、受注件数などの実績
- 後輩育成、営業資料作成、営業手法の改善経験
転職先が変わるたびに営業対象や商材が変わっていても、「顧客の課題を聞き出し、提案して受注につなげてきた」といった共通点を示せば、営業職としての強みを説明しやすくなります。
履歴書の志望動機では「なぜ次の会社に長く働きたいのか」を書く
転職回数が多い場合、採用担当者は「また短期間で退職しないか」を確認します。そのため志望動機では、応募先の営業内容と自分の経験がどう結び付くのかを具体的に書きます。
次の3点を入れると、転職理由と志望動機がつながります。
- これまでの営業経験
- 応募先で取り組みたい営業業務
- これまでの経験を生かして貢献できること
例として、法人向けIT営業を志望する場合は、次のように書けます。
「これまで法人向け営業として、顧客の課題をヒアリングしたうえで、導入後の運用まで見据えた提案を行ってきました。今後はより専門性の高いITサービスの提案力を身につけ、顧客の業務改善に長期的に関わりたいと考えています。これまで培った新規開拓と既存顧客のフォロー経験を生かし、貴社の営業活動に貢献したいと考え、志望いたしました。」
短期離職が複数ある場合の履歴書で注意すること
短期離職が複数ある場合は、職歴の省略、在籍期間の変更、退職理由の創作をしないことが重要です。履歴書、職務経歴書、面接で説明する内容に食い違いがないか確認してください。
また、転職理由を会社ごとに別々に説明するだけでなく、転職全体を振り返って共通する理由を整理しておくと、質問に答えやすくなります。
たとえば、次のように事実と反省を分けて伝えます。
- 事実:入社後に担当業務や事業方針が当初の説明と異なっていた
- 反省:入社前の確認が十分ではなかった
- 今後:応募前に顧客層、営業方法、評価制度を確認し、長期的に働ける環境を選ぶ
反省点を述べる場合も、「転職したことがすべて会社の責任」という伝え方にしないことが大切です。今後の選択基準や、応募先で長く働く意思まで説明できると、前向きな印象につながります。
転職回数が多い営業職の履歴書で避けたい書き方
- 在籍した会社を意図的に省略する
- 退職理由をすべて「一身上の都合」で済ませ、面接で説明できない
- 前職や元同僚への不満を詳しく書く
- 営業実績を盛ったり、個人の成果として不正確に書いたりする
- 応募先ごとに志望動機を変えず、どの会社にも当てはまる内容にする
- 履歴書と職務経歴書で在籍期間や職種が異なる
営業実績を書くときは、個人目標かチーム目標か、担当した期間はいつかを整理しておきましょう。数字を出しにくい場合は、担当顧客数、商談数、営業範囲、改善した業務など、事実として説明できる内容を使えます。
履歴書を書く前に確認すること
提出前に、次の項目を確認すると記載漏れや説明の食い違いを防げます。
- 入社・退社年月が雇用保険の記録などと一致しているか確認する
- 会社名を正式名称で記載する
- 在籍中の会社には「現在に至る」と記載する
- 転職理由が事実と一致しているか確認する
- 応募先で生かせる営業経験を志望動機に入れる
- 職務経歴書や面接で説明する内容と統一する
営業職の転職回数が多い場合、履歴書で最初に行うことは、職歴を省略せず正確な時系列に並べることです。そのうえで、職務経歴書に営業経験と実績を整理し、志望動機で「なぜこの会社で長く営業を続けたいのか」を説明しましょう。







