年度末に転職した場合、転職先で同じ年の年末調整を受けるなら、前の勤務先の源泉徴収票が必要です。3月末に退職して4月から転職先で働く場合は、通常、同じ年の給与を合算して年末調整するため、前職の源泉徴収票を転職先へ提出します。
ただし、源泉徴収票が必要になる基準は「年度」ではなく1月1日から12月31日までの暦年です。転職先への入社時期や、その年に前職から給与を受け取ったかどうかによって扱いが変わります。
年度末の転職で源泉徴収票が必要になる時期
源泉徴収票は、転職先から年末調整の案内を受けたときに提出するのが一般的です。会社によって提出期限が異なるため、入社時の書類案内や年末調整の案内に記載された期限を確認してください。
3月末退職・4月入社のような年度末の転職では、転職先から次の時期に提出を求められることがあります。
- 入社時の給与・税務関係書類の提出時
- 年末調整の書類を提出するとき
- 転職先が年末調整の準備を始める時期
法令上の提出期限ではなく、転職先が定めた社内期限までに提出することが重要です。手元にない場合でも、提出期限を過ぎる前に転職先の担当部署へ相談してください。
3月末退職・4月入社なら、同じ年の源泉徴収票が必要
たとえば、2026年3月31日に前職を退職し、2026年4月1日に転職先へ入社したとします。この場合、前職と転職先の両方から2026年中に給与を受け取るため、転職先で年末調整を受けるには前職の源泉徴収票が必要です。
転職先は、源泉徴収票に記載された前職の給与や源泉徴収税額を確認し、転職先で支払った給与と合わせて、その年の所得税を計算します。
| 転職の例 | 源泉徴収票の扱い |
|---|---|
| 3月退職、同じ年の4月入社 | 同じ年に前職の給与があるため、転職先の年末調整で必要 |
| 年の途中で退職し、同じ年に転職 | 原則として前職の源泉徴収票を転職先へ提出 |
| 12月末に退職し、翌年に転職 | 前年分と転職した年分を分けて考える必要がある |
| 前職の給与を受け取った年に転職先から給与を受け取っていない | 転職先でその年の給与を合算する年末調整はできない |
源泉徴収票が必要なのは「年度末」ではなく同じ暦年に給与があるか
「年度末に転職したから必要」というより、前職と転職先の給与を同じ年に受け取るかどうかで判断します。
会社の年度は通常4月から翌年3月までですが、所得税の計算期間は1月から12月までです。そのため、3月末から4月に転職する場合でも、税金の計算上は同じ年の給与として扱われます。
一方、前職の給与を受け取った年と、転職先で給与を受け取る年が異なる場合、転職先が前職の給与を翌年の年末調整に合算することはできません。
源泉徴収票は前の会社からいつ受け取るか
前の勤務先は、退職した従業員に対して、原則として退職後1か月以内に給与所得の源泉徴収票を交付します。3月末に退職した場合は、4月中に受け取ることが多い時期です。
源泉徴収票が届かない場合は、まず前の勤務先の人事・総務担当部署へ発行状況を確認します。転職先への提出期限が迫っているときは、転職先にも「前職へ発行を依頼中」と伝えておくと、対応方法を案内してもらえる場合があります。
紛失した場合も、前の勤務先へ再発行を依頼します。給与明細や退職時の書類だけでは、転職先の年末調整に必要な情報が足りないことがあります。
提出できないと転職先の年末調整を受けられないことがある
前職の源泉徴収票を期限までに提出できない場合、転職先は前職分を含めた年末調整をできないことがあります。未提出のまま転職先の給与だけで年末調整を行うと、前職分を含む1年間の所得税と一致しない可能性があるためです。
この場合、転職先から年末調整を受けられない、または前職分を除いて処理されることがあります。そのときは、前職と転職先の源泉徴収票をそろえ、必要に応じて自分で確定申告をして所得税を精算します。
確定申告が必要かどうかは、給与以外の所得、年末調整の実施状況、控除の内容などによって変わります。源泉徴収票がそろわない場合は、前職と転職先の給与担当者に確認し、必要書類を確認してください。
年度末に転職した人の確認手順
- 前職の退職日と、前職から最後の給与を受け取る年を確認する。
- 転職先で同じ年に給与を受け取るかを確認する。
- 同じ年に給与を受け取る場合は、前職の源泉徴収票を取得する。
- 転職先の年末調整の提出期限と提出方法を確認する。
- 期限に間に合わない場合は、転職先と前職の両方へ連絡する。
同じ年に複数の会社で働いていた場合は、前職が1社とは限りません。その年に給与を受け取ったすべての前勤務先について、源泉徴収票の提出を求められることがあります。
年度末の転職で源泉徴収票が必要か迷ったときの判断
3月末に退職して4月から同じ年に転職するなら、前職の源泉徴収票は必要と考えて、早めに取得してください。提出時期は、転職先の入社時または年末調整の案内時に設定された社内期限です。
判断の基準は「年度末かどうか」ではなく、前職と転職先から同じ暦年に給与を受け取ったかどうかです。源泉徴収票が届かない、または提出期限に間に合わない場合は、自己判断で放置せず、転職先の給与担当者と前職へすぐに連絡します。







