営業職の職務経歴書で営業手法を書くときは、「誰に、何を、どのように提案したか」を具体的に示します。「法人営業」「新規開拓」だけで終わらせず、顧客の種類、営業対象、アプローチ方法、商談から受注までの流れ、実績を組み合わせることが大切です。
採用担当者が、あなたの経験を入社後の営業活動に生かせるか判断できるように、営業手法と成果をセットで書きましょう。
営業手法は「顧客・商材・方法・成果」の順に書く
営業手法は、次の4項目に分けると具体的に伝わります。
| 項目 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 顧客 | 法人・個人、業界、企業規模、担当者 | 従業員数100~500名の法人企業 |
| 商材 | 商品・サービスの種類、価格帯、契約形態 | 業務管理システム、月額制サービス |
| 営業方法 | 新規・既存、訪問・電話・オンライン、紹介など | 新規開拓と既存顧客への追加提案 |
| 成果 | 売上、受注件数、達成率、顧客数など | 年間売上4,000万円、目標達成率120% |
たとえば、「法人営業を担当」と書くよりも、「中小企業を対象に、電話でアポイントを取得し、オンライン商談で業務管理システムを提案。月平均5件を受注」と書くほうが、担当していた営業の進め方をイメージしてもらえます。
営業手法の書き方テンプレート
職務経歴書では、次の形に当てはめると整理しやすくなります。
営業対象:[顧客の種類・業界・規模]
商材:[商品・サービス名や特徴]
営業手法:[新規・既存の割合、アプローチ方法、商談方法]
担当範囲:[担当エリア、顧客数、営業件数など]
実績:[売上、受注件数、目標達成率など]
文章にすると、次のように書けます。
法人向け業務管理システムの新規開拓営業を担当。従業員数50~300名の企業を対象に、電話やメールでアポイントを取得し、オンラインおよび訪問で提案を実施しました。顧客の業務課題をヒアリングしたうえで導入効果を提案し、月平均4件、年間48件を受注しました。
実績を公開できない場合は、「社内目標を継続して達成」「担当顧客の契約更新率向上に貢献」のように、記載できる範囲の事実で表現します。数値が分からない項目を推測して補う必要はありません。
新規開拓営業の書き方
新規営業では、顧客をどのように見つけ、どの段階から商談・受注につなげたかを書きます。単に「新規開拓を担当」とするのではなく、アプローチ手段と担当範囲を加えましょう。
- 電話、メール、問い合わせ対応、紹介、展示会などのアプローチ方法
- 月間の架電数、訪問数、商談数など
- アポイント取得から受注まで担当した範囲
- 新規顧客の獲得件数や売上
- 特に工夫した提案方法や顧客課題の聞き取り方
記載例は次のとおりです。
新規開拓を中心とした法人営業に従事。リストをもとに電話でアポイントを取得し、初回商談では顧客の業務上の課題を確認したうえで、複数プランを提案しました。月約200件の架電と15~20件の商談を担当し、年間35社の新規契約を獲得しました。
架電数や商談数は、実際に担当していた数値だけを記載します。会社全体の実績と自分の実績が異なる場合は、「チーム実績」と「個人実績」を分けてください。
既存顧客営業の書き方
既存顧客向けの営業では、契約後の関係づくりや追加提案まで担当したことを示します。ルート営業、深耕営業、アップセル、クロスセルなどの経験がある場合は、具体的な活動内容に置き換えて説明すると伝わりやすくなります。
- 担当顧客数と顧客の業界
- 定期訪問、電話、オンライン面談などの接点
- 契約更新、利用状況の確認、追加提案の内容
- 売上拡大、解約防止、契約更新などの成果
たとえば、次のように書けます。
既存顧客30社を担当し、定期訪問とオンライン面談によるフォローを実施。利用状況や今後の課題を確認し、関連サービスの追加提案と契約更新の交渉を行いました。担当顧客の年間売上を前年比115%に拡大し、契約更新率98%を維持しました。
「顧客と良好な関係を築いた」という表現だけでは成果が伝わりにくいため、訪問頻度、提案件数、売上の変化など、確認できる事実を加えます。
新規営業と既存営業の両方を経験した場合
新規と既存の両方を担当した場合は、割合や役割を分けて書くと、営業経験の幅が伝わります。
| 分けて書く項目 | 記載例 |
|---|---|
| 営業先 | 新規:未取引企業、既存:契約中の法人顧客 |
| 営業活動 | 新規:電話・紹介、既存:定期訪問・追加提案 |
| 割合 | 新規開拓40%、既存顧客対応60% |
| 成果 | 新規契約20社、既存顧客売上前年比110% |
記載例:
法人営業として、新規開拓と既存顧客の深耕営業を担当。業務時間の約40%を新規開拓に充て、電話・紹介・問い合わせから商談を創出しました。既存顧客には定期訪問を行い、利用状況に応じた追加提案を実施。年間で新規契約22社、既存顧客の追加受注1,800万円を達成しました。
営業手法を書くときに入れたい具体情報
1. 顧客の種類
「法人」「個人」だけでなく、業界や規模まで書けると、応募先との経験の近さを判断してもらいやすくなります。
- 法人・個人
- 業界や業種
- 企業規模や年商
- 経営者、部門責任者、購買担当者などの商談相手
- 担当エリアや顧客数
2. 商材の特徴
商品名だけでなく、無形商材か有形商材か、単価や契約期間など、営業の難しさに関係する情報を書きます。
- 有形商材・無形商材
- 新規契約・更新契約・単発受注
- 高単価商材・低単価商材
- 短期商談・長期商談
- 単独で提案する商材・複数商材を組み合わせる提案
価格を記載できない場合は、「複数回の商談を経て契約するサービス」「導入後の運用支援を含むサービス」のように、営業プロセスが分かる説明にします。
3. 商談の進め方
営業手法の中でも、どのように顧客の課題を把握し、提案・受注につなげたかは重要です。
- 課題やニーズのヒアリング
- 現状分析や導入効果の説明
- 見積書・提案書の作成
- 社内の技術部門や事務部門との調整
- 導入後のフォローや契約更新
「提案営業」と書く場合は、何を提案したのかを補足します。たとえば「顧客の業務課題をヒアリングし、運用方法を含めた導入プランを提案」のように書くと、行動が具体的になります。
営業実績は営業手法とセットで書く
営業実績は、営業手法の説明の後に置くと、どのような活動で成果を出したのかが分かります。
- 売上金額
- 目標達成率
- 受注件数
- 新規顧客の獲得数
- 担当顧客数
- 前年比や前任者比の変化
- 契約更新率や解約率
実績は、可能であれば「期間」「対象」「自分の役割」を添えます。
例:2024年度、法人営業10名のチームで新規開拓を担当し、個人売上3,200万円、目標達成率106%を達成。
チームで達成した成果を個人の成果として見せないように、「チームメンバーとして参加」「担当案件として受注」など、役割が分かる書き方にしましょう。
営業手法の悪い書き方と改善例
| 分かりにくい書き方 | 改善例 |
|---|---|
| 法人営業を担当 | 製造業の法人を対象に、既存顧客への定期訪問と追加提案を担当 |
| 新規開拓を行った | 電話と紹介で新規企業との商談を創出し、年間25社と契約 |
| 提案営業に従事 | 顧客の業務課題をヒアリングし、導入後の運用方法を含めて提案 |
| 多くの顧客に提案 | 月15~20件の商談を担当し、年間60件の提案書を作成 |
| 顧客満足度を高めた | 導入後の定期フォローを行い、担当顧客の契約更新率を維持 |
抽象的な言葉を使う場合は、直後に具体的な行動や数値を加えると、経験の内容を判断しやすくなります。
営業手法を書くときの注意点
- 「新規」「既存」「ルート」などの区分だけで終わらせない
- 自分が実際に担当した範囲と、チーム全体の範囲を分ける
- 営業手法と実績の対象期間をそろえる
- 守秘義務がある顧客名や社内情報は記載しない
- 経験していない営業手法を、応募先に合わせて追加しない
- 数字の単位や対象が分からない実績は、そのまま使わない
職務経歴書に書ける営業手法が少ない場合でも、担当顧客、商談相手、訪問や電話の方法、受注後の対応などを整理すれば、実務の流れを具体化できます。
提出前に確認するポイント
完成したら、次の順番で確認します。
- 誰に営業していたかが書かれているか確認する。
- 何を販売・提案していたか確認する。
- 新規か既存か、どのような方法で接点を作ったか確認する。
- 商談から受注、契約後のどこまで担当したか確認する。
- 成果の期間、対象、個人またはチームの区分を確認する。
- 応募先で生かせる経験が、冒頭から分かる内容になっているか確認する。
営業職の職務経歴書では、営業手法を「法人営業」「新規開拓」のような分類だけで書かず、顧客・商材・アプローチ方法・担当範囲・成果まで具体化するのが基本です。まずは直近の職歴についてこの5項目を整理し、実際の業務と数値に合う文章へまとめましょう。







