営業職の職務経歴書で売上実績を伝えるには、「いくら売ったか」だけでなく、期間・目標・達成率・担当範囲・営業活動もセットで書くことが重要です。売上額が大きくなくても、目標達成率や前年比、取引社数、改善した数字を示せば、営業力を具体的に伝えられます。
営業職の職務経歴書で売上実績を書く基本項目
売上実績は、次の順番で整理すると採用担当者が比較しやすくなります。
- 実績の対象期間
- 売上額または受注額
- 売上目標と達成率
- 前年同期比や社内順位
- 担当した顧客数・エリア・商材
- 実績につながった営業活動
たとえば「売上を増やした」とだけ書くよりも、「2024年度、法人顧客約50社を担当し、年間売上3,000万円、目標達成率120%を達成」と書いたほうが、実績の大きさと条件が伝わります。
売上実績は「数字・比較・役割」を組み合わせる
売上実績を分かりやすくするには、数字を単独で書かず、何と比べてどのような成果だったのかを示します。
| 項目 | 書く内容 | 伝わること |
|---|---|---|
| 売上額 | 月間・年間の売上、受注額、粗利 | 扱った売上規模 |
| 目標達成率 | 目標額と実績額、達成率 | 目標に対する成果 |
| 前年比 | 前年からの増減率 | 成長への貢献 |
| 顧客・案件数 | 担当社数、受注件数、新規顧客数 | 営業範囲と活動量 |
| 順位・表彰 | 営業所内順位、表彰実績 | 組織内での評価 |
すべての項目を書く必要はありません。応募先の仕事と関係が深い数字を2〜3個選び、実績につながった行動まで続けると、内容がまとまりやすくなります。
売上実績の書き方テンプレート
売上実績は、次の型に当てはめると作成できます。
【期間】+【担当範囲】+【売上・目標達成状況】+【取り組み】+【成果】
例として、以下のように書けます。
2023年4月~2025年3月、法人向けITサービスの新規・既存営業を担当。年間売上4,000万円、目標達成率115%を達成した。既存顧客への利用状況の確認と課題の定期的なヒアリングを行い、追加提案につなげた結果、担当顧客からの追加契約を前年比130%まで伸ばした。
この例は、売上額だけでなく、対象期間、営業対象、達成率、行動、成果まで示しています。実際に記載する際は、自分が確認できる社内資料や評価記録に基づく数字を使ってください。
目標達成率から売上実績を示す方法
売上額を公開しにくい場合は、目標達成率や前年比を中心に書く方法があります。たとえば「年間目標達成率110%」「3年連続で目標達成」「前年比125%」などです。
目標達成率は、次の計算で求められます。
目標達成率 = 実績 ÷ 目標 × 100
仮に目標が2,000万円、実績が2,400万円なら、計算は「2,400万円 ÷ 2,000万円 × 100」で、目標達成率は120%です。
ただし、会社や部署によって「売上」「受注額」「粗利」の意味が異なる場合があります。職務経歴書では、何の数字か分かるように「売上高」「受注額」「粗利額」などの単位を付けてください。
新規営業と既存営業でアピールする数字を変える
新規営業では、新しく獲得した顧客数や商談数、受注率などを加えると、開拓力が伝わります。既存営業では、継続率や追加受注、取引額の拡大などを示すと、顧客との関係構築力を伝えやすくなります。
新規営業の場合
新規営業の実績は、次のように整理できます。
- 新規契約数
- 新規顧客からの売上
- 商談数と受注率
- 新規開拓した業界や地域
- 紹介、電話、メール、訪問などの開拓方法
記載例:新規開拓営業として年間120社にアプローチし、18社と契約。新規顧客から年間1,800万円の受注を獲得し、部署の新規売上目標を110%達成した。
既存営業の場合
既存営業では、売上を維持した実績だけでなく、顧客単価や契約範囲を広げた成果もアピールできます。
- 担当顧客数
- 契約更新率や継続率
- 追加契約・アップセルの件数
- 既存顧客の売上増加率
- 問い合わせやトラブルへの対応実績
記載例:既存顧客30社を担当し、定期訪問で利用状況と課題を確認。関連サービスの追加提案により、担当顧客の年間取引額を前年比120%に拡大した。
売上額が小さい場合や実績を数値化しにくい場合
売上額だけで評価されるわけではありません。売上額を大きく見せにくい場合は、目標に対する達成状況、顧客数、受注件数、業務改善など、担当業務に合った指標を使います。
たとえば、次のような数字を組み合わせられます。
- 月間の商談数
- 見積書や提案書の作成件数
- 受注率
- 新規顧客へのアプローチ数
- 担当顧客数
- リピート率や契約継続率
- 営業活動の効率化による対応件数の増加
数値がない場合でも、「顧客の課題を整理して提案内容を改善した」「営業担当者と社内担当者の調整を行い、納期遅延を防いだ」など、行動と結果を具体的に書けます。ただし、「顧客満足度が高まった」のような表現は、アンケート結果や社内評価などの根拠がある場合に使うと安全です。
個人の売上かチームの売上かを明確にする
チームで達成した売上を、自分一人の実績と誤解される書き方は避けてください。「チーム売上」と「個人担当売上」を分け、自分の役割も示します。
記載例:営業5名のチームで年間売上1億円を達成。そのうち自身は既存顧客15社を担当し、個人売上2,500万円を計上した。チーム内では案件管理表を整備し、進捗共有を担当した。
チーム全体の成果を書く場合は、自分がどの部分を担当したのかを続けて説明すると、実績への貢献度が伝わります。
職務経歴書に使える売上実績の記載例
法人営業の例
法人向け広告サービスの提案営業として、従業員数50~500名の企業を担当。2024年度は年間売上3,200万円、目標達成率128%を達成した。顧客ごとに広告効果と課題を分析し、複数商品の組み合わせを提案したことで、既存顧客からの追加受注を拡大した。
個人営業の例
個人顧客向け住宅販売営業として、月平均8件の商談を担当。年間契約件数12件、売上高5,400万円を達成した。希望条件だけでなく将来の家計や生活動線を確認し、顧客ごとに提案内容を調整した。
営業事務や内勤営業の例
営業担当者の見積作成、顧客対応、案件進捗管理を担当。見積作成の手順を整理し、作成時間を従来より短縮したことで、営業担当者が顧客対応に使える時間を増やした。担当チームでは月間受注件数が前年同月比で増加した。
この例のように、営業職そのものではなく営業支援を担当していた場合は、自分が直接売上を計上したように書かず、売上に貢献した業務として表現します。
売上実績を書くときの注意点
最も避けたいのは、数字だけを並べて営業内容が分からない状態です。「年間売上1億円」と書く場合も、担当顧客数、商材、期間、個人とチームの区別がなければ、採用担当者は実績を正しく判断できません。
- 売上額の単位を省略しない
- 対象期間を明記する
- 個人実績とチーム実績を分ける
- 目標・前年比・順位などの比較対象を書く
- 守秘義務のある顧客名や取引条件を記載しない
- 実際には担当していない成果を自分の実績として書かない
- 根拠を確認できない数字を推測で記載しない
会社名や顧客名を出せない場合は、「大手法人」「製造業の顧客」「従業員100名以上の企業」のように、業界や顧客規模で表現できます。
提出前に売上実績を確認するチェック項目
職務経歴書を提出する前に、次の点を確認してください。
- 売上額や達成率の期間が書かれているか確認する。
- 売上、受注額、粗利など、数字の種類を明記する。
- 個人の成果かチームの成果かを区別する。
- 担当顧客、商材、エリアなどの営業条件を書く。
- 成果につながった営業行動を1~2点加える。
- 応募先で求められる営業力と関係する実績を優先する。
- 社内資料や評価記録と数字が一致しているか確認する。
営業職の職務経歴書では、売上額の大きさだけでなく、どの条件で、どのような行動を取り、どの成果につなげたかが重要です。まずは期間、売上額、目標達成率、担当範囲を整理し、その後に成果につながった営業活動を加えると、具体性のある職務経歴書になります。







