営業職の職務経歴書で新規開拓の実績を書くときは、「何件訪問したか」だけでなく、対象顧客・開拓方法・商談数・受注額などを数値で示すことが重要です。売上実績が書けない場合も、アポイント数や商談化率、担当顧客数など、成果につながる過程を具体化できます。
新規開拓の実績は「行動」と「成果」をセットで書く
新規開拓の実績は、次の順番で整理すると採用担当者に伝わりやすくなります。
- どのような顧客を対象にしたか
- どのような方法でアプローチしたか
- どのくらいの活動量だったか
- 商談や受注にどうつながったか
たとえば、「新規開拓を担当」とだけ書くよりも、「従業員50〜300名の法人を対象に、電話と紹介で月80社へアプローチし、月10件の商談を獲得。年間12社の新規受注につなげた」と書くほうが、担当業務と成果の両方が分かります。
職務経歴書に書ける新規開拓の実績
新規開拓の実績として使える主な項目は、受注額だけではありません。自分の業務で確認できる数値を選び、営業活動のどの段階の成果なのかを明示しましょう。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| アプローチ数 | 月100社への新規架電を実施 |
| アポイント数 | 月15件の新規商談を獲得 |
| 商談化率 | 架電からの商談化率を8%まで向上 |
| 受注件数 | 年間18社の新規受注を獲得 |
| 新規売上 | 新規顧客から年間1,200万円を受注 |
| 目標達成率 | 新規売上目標を3年連続で110%以上達成 |
| 開拓エリア | 未取引だった関西エリアで新規顧客を開拓 |
「売上1,000万円」と書く場合は、新規顧客による売上なのか、既存顧客を含む担当売上なのかを区別してください。期間、目標、実績の関係も添えると、数字の意味が伝わります。
新規開拓の実績を書く基本の型
職務経歴書では、次の型に当てはめると文章を作りやすくなります。
対象顧客+開拓方法+活動量+成果+工夫した点
文章にすると、次のようになります。
「中小企業を対象に、電話・メール・紹介を組み合わせた新規開拓を担当。月120社にアプローチし、月12件の商談を獲得した。顧客の業種ごとに提案資料を分け、初回商談で課題を確認する進め方に変更した結果、年間15社、売上900万円の新規受注を達成した。」
すべての項目を必ず書く必要はありません。売上が大きくない場合は、受注までの過程や、改善によって成果が変わった点を具体的に示します。
職務経歴書の記載例
法人営業で新規開拓を担当した場合
担当業務
- 法人向けITサービスの新規開拓営業
- 見込み顧客のリスト作成、電話・メールでのアプローチ
- 初回訪問、課題のヒアリング、提案、見積作成、契約後のフォロー
実績
- 月100〜120社へアプローチし、月10件前後の新規商談を獲得
- 年間14社の新規契約を獲得
- 新規売上年間800万円、目標達成率106%を達成
工夫した点
業種別に顧客課題を整理し、初回架電の段階で導入事例を使い分けました。商談後は失注理由を記録して提案内容を見直し、商談から受注までの進め方を改善しました。
個人向け営業で新規顧客を開拓した場合
担当業務
- 個人顧客向け住宅関連商品の提案営業
- 店舗来訪者への接客、既存顧客からの紹介、イベントでの集客
- 希望条件のヒアリング、提案、契約手続き
実績
- 新規来店顧客を月平均25組担当
- 紹介経由の新規顧客を半年間で30組獲得
- 年間契約件数42件、店舗内営業12名中3位
個人営業では、売上や契約件数に加えて、「新規来店数」「紹介数」「成約率」なども実績になります。ランキングを書く場合は、対象期間と比較対象を明記しましょう。
新規開拓で大きな受注実績がない場合
大口受注がなくても、営業活動の量や改善実績はアピールできます。
- 新規架電数を月50社から月100社に増やした
- 営業リストを業種別に整理し、架電後の商談化率を改善した
- 休眠顧客への再アプローチから、半年間で5件の商談を獲得した
- 展示会で集めた見込み顧客をフォローし、3社の新規契約につなげた
「成果がない」と決めつけず、担当した範囲で確認できる変化を書いてください。ただし、活動量を売上実績のように表現しないことが大切です。
新規開拓の実績を数字で書けないときの方法
会社の方針で売上を個人単位で管理していなかったり、守秘義務で金額を開示できなかったりする場合は、無理に数字を作ってはいけません。確認できる範囲で、件数、期間、担当範囲、顧客の種類を記載します。
たとえば、次のように書けます。
「医療機関を対象とした新規開拓営業を担当。電話・紹介・セミナー経由で見込み顧客を開拓し、初回接触から提案、契約まで一貫して対応。担当期間中に複数の新規顧客との取引開始に貢献した。」
受注額を記載できない場合は、「社内規定により売上金額は非公開」と補足する方法もあります。ただし、非公開を理由にすべての成果を省略するのではなく、開示可能な件数や担当業務を示しましょう。
実績が少ない場合は「再現できる行動」を伝える
新規開拓の経験が短い場合は、受注件数だけでなく、成果につながる行動を具体的に書きます。採用担当者は、応募先でも同じように営業活動を進められるかを判断するためです。
たとえば、次のような内容です。
- 顧客リストを業種や規模ごとに分類した
- 顧客ごとに仮説を立てて、電話やメールの内容を変えた
- 失注理由を記録し、提案資料や説明方法を改善した
- 商談後の連絡期限を決め、追客を徹底した
- 先輩の商談記録を参考にして、ヒアリング項目を整えた
単に「積極的に行動した」と書くよりも、「何をどのように変えたか」を示すほうが、営業の進め方を具体的に伝えられます。
新規開拓の実績で避けたい書き方
「新規開拓を頑張った」だけで終わる
努力したことだけでは、活動規模や成果が分かりません。「月何件にアプローチしたか」「どの顧客層を担当したか」など、確認できる事実を加えましょう。
アプローチ数だけを成果として書く
架電数や訪問数は重要な活動実績ですが、受注件数や商談数とは性質が異なります。「月100社に架電し、12件の商談を獲得」のように、活動と結果を分けて書いてください。
会社全体の実績を自分の成果にする
「売上1億円達成」と書く場合、それが会社全体の実績なら、個人の成果と誤解されないようにします。「営業部全体で売上1億円を達成し、自身は新規顧客の開拓を担当」と、役割を明確にしましょう。
根拠のない数字や過度な表現を使う
記憶だけで正確性を確認できない数字や、「業界トップ」「圧倒的な成果」といった根拠のない表現は避けます。おおよその数字しか分からない場合は、「月約100社」「年間10社以上」のように、実態に合う範囲で記載します。
提出前に確認するポイント
新規開拓の実績を書いたら、次の点を確認してください。
- 新規顧客と既存顧客の実績を区別できているか
- 実績の期間が分かるか
- 売上額の単位が「円」「万円」などで明確か
- 個人の実績とチームの実績を混同していないか
- アプローチ数、商談数、受注数の意味を区別しているか
- 応募先で活かせる営業方法や工夫が伝わるか
- 在籍企業の機密情報や顧客情報を出しすぎていないか
特に大切なのは、数字の大きさだけでなく、実績を生み出した営業方法まで書くことです。「誰に、どのように営業し、何件の成果につなげたか」を確認できる形に整えると、新規開拓の経験が伝わりやすくなります。







